| APNEA WORKS by Ryuzo SHINOMIYA | ||||||||||||||||
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AIDA Pacific Cup Hawaii 2002 日本代表選考会 参戦レポート |
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| 大会結果 | ||||||||||||||||
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9/28,29 静岡県西伊豆 戸田村&井田区 |
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近年フリーダイビングは国内でも注目を集めつつあるスポーツになっている。そんな中今回の選考会は女優の高樹沙耶さんが参加することもあってこの小さな戸田村のプールはマスコミ関係者であふれていた。去年の非常に静かな選考会とは正反対である。この状況はプールに入る前から予想できていたので申告は短めにしようと決めていた。去年は5分30秒の申告でラストの選手となり全員の注目の中でのトライアルとなったからだ。5分の申告は一番人数が多いのは過去の選考会からも予想にたやすい。4分59秒でいく。これなら男子では2番か3番目のトライアルになり、自分の番を待ち続けることで緊張が無意味に高まってしまうのを回避できるからだ。早めにスパッと終わりにしたかった。 |
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我がアプネアチームBBBからは松元メグさん、山内トモちゃんが参加した。メグさんにはフランスで一緒に戦った小口さん、トモちゃんには良きライバル?!の小川さん、そして篠宮にはBBB専属トレーナー藤本さんがなんと大学の講義を休講にしてまでサポートしてくれた。チーム発足当時から一緒にトレーニングしてきた仲間と競技馴れしたトレーナーが付き添ってくれるのはとてもありがたく心強かった。 |
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男子8名、女子5名、全13名の参加でAエリア4番目だった。作戦は成功!いつになく早い順番だ。アップを2本やり、オフィシャルトップ。しかしあの独特の雰囲気、やはりいつもの感じではない、緊張のせいからか早く横隔膜の収縮がきてしまう。いつものトレーニングでは3本目で簡単に7分は超えている。自己ベストは8分近くの記録を持っているがやはり緊張しているしサンバ判定も厳しくなってきている為6分過ぎたら無理をせずに上がろうと思っていた。目標は6分30秒だがしかたない、ここは体の声に従わなくてはいけないのだ。記録は6分7秒、3位には入っているだろうと思って次の日のことに頭を切り替えた。メグさんはタヒチでクジラと泳ぎまくって4分20秒で2位、沙耶さんと同タイム、トモちゃんは悔しい4分1秒、5位。本番で練習の成果を出すのは難しいが無理せず上がって正解だ。サンバを取られたら元も子もない。この時点で篠宮は1位、メグさんは2位だった。 |
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温泉で冷えた体を温めながらトモちゃんを3位に浮上させるシナリオを考えた。メグさんも篠宮と同じことを考えていた、それはトモが自己ベストの37mを決めるということである。自己ベストを本番でやるのはあまりお奨めではないことは普段からトモちゃんには言っていた為、彼女自身の中にもその選択肢は全くなかったようだ。しかし前日に36m行っていたし、このままでは終わる選手ではないと信じていたので藤本トレーナーと相談後37mの申告とした。誰かの失敗を期待し35mの申告とするよりこの申告にすることで本人はとてもスッキリしたようだった。これで女子は仮に全員が自己ベストでもトモちゃんが3位に入ることになるのだ。 |
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コンスタント当日、前日の雨天からは想像がつかないほどの快晴となった。夏が戻った!選手とその付添サポートを乗せた「中藤丸」は競技エリアへと向かった。競技船の真横でそれぞれのオフィシャルトップを待つ。閉鎖的な空間で行われるスタティックと違い、皆開放的な気分で明るくしている。そんな中沙耶さんのコーチ菅原さんが一つの提案をした。それは選手のみんなでジャックさんに対して1分間の黙祷を捧げようというものだった。 選手達は自然と輪になり自然と手を繋ぎ合った。波と風の音だけが静まり返った選手船を包む。それは私が知る中で最も静かで貴重な1分間だった。 |
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海に入りカーボンモノフィンを履く。突き抜けるような透明度だ!20m以上はあるだろう。井田へは3年前から毎週通っているがこんなにいいコンディションはそうそうない。真っ白なロープが何本もグランブルーに向かって伸びているのを藤本トレーナーに曳かれながらボーっと眺めていた。こんなコンディションの中で最強のセキュリティーにサポートされて潜れることはとても贅沢だと思った。アップは1本だけ、体が冷える前にオフィシャルトップをむかえる計算だ。オフィシャルトップから約10秒後に胸いっぱいの空気とともに50mへと潜行した。最初の10mは力強くキックし次第に力を抜いていくのだ。30m過ぎから完全にスタティック状態でグライド。コンスタントで最も美しい時間帯だ。体の機能が停止していく感じである。いつもなら右手でロープを掴み、左手でタグを取るのだが、うっかりしていて両手でボトムのディスクにつっこんでしまった。これを50mセキュリティーの小川さんにバッチリ見られてしまった・・・。何とかタグを取り体勢を立て直して浮上を開始すると小川さんが拍手していた、上がったら笑われるぞ!と思いながら水面を目指す。いつもどおりリラックスして浮上していくとケニーさんが降りてきた。キックを止めて水面を見つめる。タグを握った手でガッツポーズ! |
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余韻に浸っているとジャッジの声で現実に引き戻された。そうだ、トモちゃんのサポートをしなくてはいけないのだ。ウォームアップを開始すると潮が流れ出した、しかも水面付近は濁ってきた。しかしこれが井田なのだ、ここがホームの彼女にとってさほど大きな問題ではない。オフィシャルトップをむかえ、力強いキックで水面を離れていく・・・こちらはとにかく無事をいのる、祈る。浮上する姿が確認できた、幾度か水面を見上げている、苦しいのだろう。しかし水面では落ち着いてマスクをはずしていい笑顔を見せてくれた。これでBBB全員そろって世界大会に出場できる!チームそして個人の念願も達成できた瞬間だ。 |
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閉会式は多くの報道陣が見守る中で行われた。選考会1位通過である。たくさんのサポート、スタッフの方々に囲まれていい結果を出せたことに本当に嬉しく思った。10人の選手が潜るためにたくさんの方の協力があってようやく大会が成立するのだ。今回、運営にも携わってみてその大変さが良く分かった。ハワイの海でいいダイブをしてその熱い思いに報いたいと思う。 |
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| photo | 大会結果 | |||||||||||||||