APNEA WORKS by Ryuzo SHINOMIYA

m e s s a g e

back number

photo : Yoshiharu Mizobuchi

mind  as  water

出版記念パーティー   14  Dec 2004 
   


 最近よく、アメリカンエキスプレスのTVCMでマウイ島の怪物波『JAWS』とそれに乗る男たちが登場します。「マイ トレイル、マイ エベレスト・・・」あのCMかっこいいですよね。マリンジェットでトーインしてもらって波のトップでテイクオフ!何度見てもシビレます。
 その『JAWS』と呼ばれる超大波に乗った初の日本人プロサーファー中里尚雄さんの書かれた本の出版記念パーティーへ行ってきました。会場は原宿にあるYOOGEE’Sというサーフボードやハワイアン雑貨がレイアウトされたいい感じのお店でしたね。パーティーには150人もの方が訪れ、店内は熱気が溢れていました。マウイを拠点にプロ活動をされている中里さんは2年前大きな交通事故に遭遇、骨盤を3つに割るという大怪我を負い、医師からは「社会復帰が出来るかは50%、JAWSにはもう戻れない」と宣告されたのでした。そこから厳しいリハビリ経て見事に選手復帰、もう今年すでにマウイで行われた世界大会へ出場しています。何という精神力そして回復力でしょうか。
 自分が中里さんに初めてお会いしたのは今年のハワイキャンプ(3−5月)でのことでした。恐怖心の克服、常に身一つ、海への挑戦、自然との調和、そして達成感・・・あらゆる点でJAWSライドはフリーダイビングと酷似していると自分は確信し中里さんに会いにマウイ島へ足を伸ばしたのでした。初めてお会いしたにもかかわらずたくさんの海話が出来ましたね。そしてお互いのやっているスポーツは違っても海という同じフィールドに対峙する感覚はやはり同じだという結論に達しました。またスポンサーが見つからず悩む自分に「長く続けていれば必ず見ていてくれる人がいる。必ず協力してくれる人が現われるよ」とあたたかい言葉を掛けていただいたことを思い出します。
 
 中里さんは事故からリハビリ、そして復帰への途中に書き溜めた日記を『生かされた意味』(飯塚書店)という本にまとめて出版されました。完全復帰、そして出版本当におめでとうございます!この本を読んでいくと人間の未知なるパワーや無限の可能性というものを彼の驚異的回復力やJAWSライドを通して感じさせられます。自分は海が怖くなったときはJAWSに挑むライダーをいつも思い浮かべることにしています。「あんな巨大波に挑む人達がいるのだ!」と思うと不思議と勇気が湧いてくるのです。今回も本当に大きなエネルギーを頂きました。人間ていうのは凄いんだな!今回は中里さんと沢山お話することは出来ませんでした。しかし一言二言挨拶し堅い握手を交わしただけでしたがそれだけで充分。あたたかいハートと海に対する純粋なチャレンジングスピリットが伝わってきました。大先輩を相手にして僭越でしょうが、「この人も海の中にしかないものを知っているんだな」と感じました。もう明日からマウイへ発つという中里さん、JAWSへの完全復帰をお祈りしています。自分も来シーズンへ向けてWALK ON!

graphic :
Koichi Fujimoto