Dahab Freedive Challenge Triple Depth 2005



Triple Depth

WRホルダー、ロッタ・エリクソンと旦那さんのピーターが中心となって開催されたトリプルデプス(11/1〜7)に参加してきました。ロッタには今年の世界選手権で会った時に「エジプトで大会やるからおいで!」とお誘いを受けていました。大会運営に辛酸を嘗めさせられてきた今季。果たして・・・?!と思いながら参加しましたが、実は彼女、年に2回ほどエジプト・ダハブで大会やレコードアテンプトを開催しているので運営に関してはプロフェッショナル!!またジャッジとしてAIDA会長のビルが来ていたので大会進行はかなりスムースでした!今季ベストの大会の一つでしょう。
参加選手は22名。スエーデン、ドイツ、イギリス、スイス、ロシア、イタリア、スペイン、イスラエルそして日本から篠宮と山内が参加しました。小さいながらも国際色豊かなコンペでした。やっぱり選手との再会が嬉しい!ロシアのアレックスは会うなり「良い一日を」と今年ニースで教えたニホンゴで挨拶してくれました。ロシア語も覚えないとネ。
コンスタントウィズ&ノーフィン、フリーイマージョンの合計3種目での総合得点ランキングを競う大会でした。


ダハブ Dahab 

選手たちの滞在先はシャルムエルシェイク空港から車で1時間ほどのダハブという砂漠の街でした。シナイ半島のダイビングエリアで今一番物価が安くてバックパッカーやダイバーがたくさん訪れています。食費や滞在費は格安!今回のエントリーフィーには、1週間のホテル代、3日間のトレーニング代、4日間の競技参加費、ポイントまでの送迎費用が込みでたったの200ユーロでした。日本からのエア代が高くつきますがヨーロッパの大会を転戦することに比べるとかなりいいプライスです。ダハブは海辺ということもあって新鮮な魚がかなり安く食べられます。鯛が一尾たったの500円!店先でこれとあれと・・・とうまそうな魚を選んでその場で料理してもらいお腹一杯食べても一人700円ほどです。通貨はエジプトポンド。(1ポンド=約20円)

滞在中はイスラム教徒たちのラマダンの時期と重なり、なんだか街中が異様なテンションに包まれていました。日の出ているうちは一切食べられないので仕事が終わって夜になると遅くまで出歩いたり騒いだり・・・
そのかわり、昼間はみなさんぼーっとしてましたね。ちなみにラマダン月の食費は普通の月より高いとか!夜になると昼間食べられない反動で食べまくるんでしょうかね。分かる気がします。
初めてのアフリカ大陸、エジプト、紅海、砂漠・・・とてもエキゾティックな旅でした。




ブルーホール Blue Hole 

大会が行われたのは紅海・シナイ半島にあるブルーホール。ここは結構有名なダイビングポイントになっており、多くのシュノーケラー、スクーバダイバー、また中にはダブルタンクのテックダイバーの姿も。それもそのハズ、このブルーホール、岸から泳いでたったの30秒で水深93mのスーパードロップオフ!いままでいろいろな「ドン深ポイント」で潜ってきましたがこんなポイント見たことないですねー!ここが100m以上あったら住みたいくらい?!実際にヨーロッパから引っ越してきている選手がいました。

ブルーホールの壁にはハードコーラル、ソフトコーラルがびっしりと群生していてその上にはオレンジ色のハナダイが狂喜乱舞、百花繚乱!「あっこれダイビング雑誌で見たことがある!」と全く同じ光景に思わず笑ってしまいました。透明度は20m、水温は25度サーモラインなし、流れもなし。とても潜りやすい海です。これはもうフリーダイブ用の深いプールですね。

ブルーホールの縦穴の中を潜っていくと水深58mくらいからボトムにかけて大きなアーチが現われます。このアーチから外洋の深く美しいブルーを見ることが出来ます。ロッタはこのアーチの潜り抜けに成功!やるね〜。フリーダイバーたちはこのアーチを『蒼き大聖堂』と呼んでいます。なんだか荘厳な気分になる場所です。60m級のフリーダイバーが眺めることが出来る美しきブルーチャーチなのです。
ブルーホールの中は潜っていると色々な景色が楽しめて本当に飽きないですね。水面付近はサンゴとハナダイ、それから中層は小魚の群れそして壁が切れてアーチが現われてきます。このアーチから入ってくるのか、時々でかいマグロがギラリと銀色の体側を見せて泳ぎ去っていきます。スノーケラーからテックダイバーまであらゆるダイバーを満足させるスーパーポイントなのです。今回はこのブルーホールの上にピラミッドを組んで競技用ラインを入れ、カウンターバランスシステムを設置、その周りにプラットフォームを浮かべてジャッジや選手が上れるようになっていました。フネも要らず、コンパクトで素晴らしいシステムです。カウンターバランス主軸のセキュリティーシステムのためセーフティースクーバダイバーは一切入っていませんでした。競技中もバブルが一切上ってこないのでとても静かな水中を楽しめました。




スタティック Stataic

今回、総合ポイントには加算されないオプションの種目でした。自分は深度競技に集中するためキャンセル。ピーターより申し出があり、インターナショナルジャジの私と山内は急遽メインジャッジの補佐に当たることに。喜んで引き受けたものの、ジャッジって色々やることあるんですね、タイムをとったり(オフィシャルトップ後10秒以内&サーフェシング後20秒以内)選手のサーフェスプロトコルを注意して監視したり競技も角度を変えて見てみると本当に勉強になります。
今回も気になったのがサンバ・・・現行のAIDAルールでは旧ルールのLMC・失格がなくなったためサンバを起こしてガクガク、ブルブル震えながらマスクを取り、OKサイン、「アッアッ、I’m OK〜!」と、これでもホワイトカードになってしまうんですね。なんだかジャッジ自身も納得いかない様子。でもルール上はOK。今後の世界的なフリーダイビングの発展を考えると、これは元の厳しい「サンバNG」ルールに戻した方がいいのではないでしょうか?これではTV中継などしてもらえませんよね。皆さんはどう思いますか?





フリーイマージョン Free Immersion ダイブプロフィール

普段の練習では全くやっていなかったので、大会前の1ヶ月で何とか仕上げました。フリーイマージョンとコンスタントはグライドに入るポイントや圧平衡、到達深度など似ている点がたくさんあるので、沖縄ではコンビネーショントレーニングをよくやりました。コンスタントで潜行し、フリーイマージョンで浮上、またはその逆でトレーニングします。これはコンスタントとフリーイマージョンのWRホルダー、ベネズエラのカルロスなども取り入れている手法です。
フリーイマージョンでは目を瞑ってロープを手繰っていく感じがとても好きですね。師匠ウンベルトが自著「アプネア」のなかでロープを手繰って深い海から戻る時、「今この手の中に人生の全てがある」と書いていましたが、まさにそんな感じがしました。「ロープ=生命」まさに命綱です。自分で自分の生命を握り締めて空気のある水面へリフトしていく・・・とても気持ちよかったです。そして水面で久々に取ったタグを握ってOK!嬉しかったなー

残念ながらロシアのアレックスは90m申告でタグを取ってきたものの浮上中20mでブラックアウト。自分が見た中で最も深いところでのBOでした。しかしナイストライ!よく頑張りました。ドイツのウォルも83m申告でタグを取ったもののラスト16mでBO。二人ともスイスの世界選手権では表彰台に上っているので「こんなはずじゃ・・・」という気持ちだったでしょう。なんだか自分も二人を見ているのが辛くなり、諸手を上げて自分の成功を喜ぶ気にはなれなかったですね。





コンスタント ウィズフィン Constant With Fins ダイブプロフィール

今回、自分にとってメインの種目。2002年11月以来ずっと持っていた日本レコードを今年9月に破られてしまったため、どうしても取り返しておきたいという気持ちが強かったですね。他種目で失敗してもこれだけは新記録を作って日本に帰りたいと思っていました。今回は大台に乗せたかったのですが、アレックスとウォルはフリーイマージョンでBOし、コンスタントはドクターストップ。この時点で自分はミスをしなければ総合で勝てることになったので自己ベストに比べて抑え目の申告をしました。やはり理由は「確実に決めること」、その一点に尽きますね。実はちょっと風邪気味だったので鼻が詰まっても熱があっても絶対に成功する深度を申告しました。沖縄でのトレーニングは順調にいき、フィジカル面は完璧だっただけに基本的な体調管理が出来ていないことが悔しかったですね。まだまだ甘い!




コンスタント ノーフィン Constant Nofins ダイブプロフィール

沖縄では全く練習していませんでした。実はこの種目には出るつもりはなく、コンスタントウィズフィンとフリーイマージョン2種目への出場を考えていたからです。しかし、大会最終日の種目だったのと、3種目出ないと総合優勝できないかもしれない、と思って急遽出場することにしました。3日間のオフィシャルトレーニングでなんとか50mに到達し、本番も50mの申告にしました。素手と素足で味わう水深50mの水の感触!最高でした。ノーフィンも面白いですね。この種目が自分にとっては一番刺激的でチャレンジングで心から楽しめました。なぜって?平泳ぎがニガテだからです!




大会結果 Result Photo Movie

今回の参加目的は二つありました。一つはコンスタントウィズフィンで日本新を作ること、そしてフリーイマージョンで今季世界ランク一位を獲ること。ロシアのアレックスが参加していたのでフリーイマージョン80mでは世界ランク一位獲得は厳しいかな?と思っていました。彼も当然狙ってくるでしょうから。案の定、本番では90mを申告して(彼は練習で80mでしたが)攻めてきましたがあいにく浮上中にBO。いつも本番でビッグジャンプを見せるロシアンウェイは今回不発・・・残念。今回自分には運があったのでしょう、フリーイマージョンで今季世界ランク一位を獲得し目的は達成できました。世界で一番というのは本当に気分のいいものです!

コンスタントウィズフィンはようやく公式に80mを越えることが出来ました。かれこれ足掛け3年ほどかかってしまいました。大変お待たせしました!ようやく越えることが出来て、またアジア・太平洋地域で最深記録となり、とても嬉しく思います。

コンスタントノーフィンはエジプトで3回しか練習しなかったので、今後はもっと練習します!道具を一つ脱ぎ捨てて、とてもPUREなフィーリングを得ることができました。気持ちよかった!来年は60mを越えてみたいです。

最終的には3つともミスなくこなし総合優勝することができてとても嬉しかったです。アレックスもウォルもかなりの実力者なので簡単には勝てないと思い、逆に堅実路線でいったことがよかったと思います。一番難しかったのは3日間集中力を維持することでした。いままで深度競技を3日間連続で潜ったことはありませんでしたし、一番の狙いのコンスタントウィズフィンは2日目のど真ん中。本当は初日にさっさと片付けたいところでした。初日のフリーイマージョンで失敗したら次の日に響くのであまり攻められません。また、初日にライバル二人が消えたと言っても下からは新鋭が狙っています。最後までミスはできないと思いました。やっぱり簡単に勝てる勝負はないですね。
一日一日終わるたびに気持ちを引き締め、開放感でダレない様に気をつけました。油断大敵!
今回の大会を通じて気持ちの保ち方を学べた点が一番の収穫かもしれません。結果が出る前からあれこれ思い煩わず、また一つ終わってもダレずに一日一日、一時間一時間その時やるべきことをしっかりやっていれば結果は自然とついてくることが分かりました。実践の場で精神面、技術面、色々な気付きと収穫があった紅海への旅でした。






The final result list is as follows:

Name Surname   NAT FIM CWT CNF TOTAL Place

Ryuzo Shinomiya  JAP 80 82 50 212  1

Euzebio Saenz    ESP 62 60 42 164 2

Andy Guldner     GER 69 55 37 161 3

Mark Harris      GBR 60 61 38 159 4

Erez Beatus     ISR 60 56 36 152 5

Red Fisher      ISR 50 52 50 152 5

Sebastian Naslund SWE 48 59 43 150 7

Bill Stromberg    SWE 59 48 43 150 7

Fred Stone      GBR 40 40 31 111 9

Stefan Baier     GER 36 28 25 79 10

Luc Wider       SUI 53 0 0 53 11

Alex Molchanov   RUS 0 0 52 52 12

Max Reubert     GER 0 0 0 0 13

Wolle Neugebauer  GER 0 0 0 0 13



Lotta Ericson    SWE 67 61 41 169 1

Linda Paganelli    ITA 60 66 42 168 2

Natalia Molchanova RUS 78 0 55 133 3

Annelie Pompe   SWE 46 42 24 112 4

Larisa Malykhina   RUS 40 50 0 90 5

Ute Gessmann    GER 45 0 21 66 6

Natalie Avseenko  RUS 0 0 50 50 7

Tomoko Yamanouchi JAP 37 0 0 37 8


Records set:

World records

FIM women 78m Natalia Molchanova
CNF women 55m Natalia Molchanova

National Records


FIM women

67m Lotta Ericson SWE
60m Linda Paganelli IT
45m Ute Gessmann GER

FIM men

80m Ryuzo Shinomiya JAP
70m Andy Guldner GER
60m Mark Harris UK

CWT women

66m Linda Paganelli IT

CWT men

82m Ryuzo Shinomiya JAP
60m Eusebio Saenz de Santa Maria ESP
56m Erez Beatus ISR

CNF women

42m Linda Paganelli IT
41m Lotta Ericson SWE

CNF men

52m Alex Molchanov RU
50m Red Fisher ISR
50m Ryuzo Shinomiya JAP
42m Eusebio Saenz de santa maria ESP

Copyright www.apneaworks.com All rights reserved.